釈尊のご生涯（1）

釈尊は、2500年の昔、北インドのヒマラヤのふもとにあったカピラ国の皇太子としてお生まれになりました。
幼い頃から何一つとして不自由のない生活を送られていましたが、ある日、人間には、どのようなものをもってしても解決できない根本的な苦しみがあることを知られ、その解決を求めて、29歳の御歳おんとしにて地位・名誉・財産のすべてを投げ捨てて出家されました。
そして、6年間にわたり激しい苦行を積まれた末、苦行は真の道ではないと知られ、苦行をも捨て去って、35歳の御歳、12月8日、暁〝あかつき〟の明星が輝くとき、ブッダガヤの菩提樹の下にて悟りを開かれ、あらゆる苦を離れた真のやすらぎの境地に達せられました。

釈尊は、それから45年間にわたるご生涯のすべてをかけて、ひたすら、自ら悟られた真実の道をあらゆる人々へ説き導かれました。

釈尊のご生涯（2）

それは、生きとし生けるものすべてに幸福あれと願われる釈尊の広大無辺な慈悲のお心の表れに他なりません。
真実の道を自らの身をもって歩み、休むことなく人々へ説き続けられた釈尊は、80歳の御歳、2月15日にクシナガラの沙羅双樹さらそうじゅの下にて、寂しずかに御入滅にゅうめつされました。 私達と同じ人間の身体をもって生まれ、私達と同じく苦しみ悩まれた末、人間がこの世に生まれた目的、すなわち、「大涅槃」に至る道を発見され、あらゆる人々のために、その大涅槃の姿を自らの身をもって示され、御入滅されたのです。

釈尊はお姿は隠されましたが、その教えは、弟子達によって一言一句の誤りもなく膨大な経典としてまとめられ、インドの地から世界へ弘まり、あらゆる人々へ真の幸福をもたらしたいとの、そのお心とともに、現代に伝わっているのです。

念佛宗の信仰の心得

釈尊は、御入滅の際に万物はうつろいゆく怠ることなく精進せよと仰せられました。 精進とは、悪を断じ、善を為すことに勇敢なこと、心を励まして、ひたすら釈尊が示された道を進むことです。
そのような釈尊の心を我が心として、「自利利他」の慈悲の心に基づき、他への「思いやりの心」を実践することを日々の心得としています。